2050年カーボンニュートラルに向けて航空の脱炭素化への取組は不可欠です。その中で、バイオマスや廃棄物等から製造される持続可能な航空燃料(SAF)は、二酸化炭素排出量を大幅に削減できることから高い期待が寄せられています。世界的には、国際航空運送協会(IATA)及び国際民間航空機関(ICAO)により、「2050 年に航空分野におけるCO2総排出量実質ゼロ」の目標が定められています。さらに、国内においても、「(2030年に)本邦エアラインが使用する航空燃料の10%をSAF に置き換える」とする目標が定められており、SAF需要が高まっています。しかし、SAFの安定的な供給に向けては、原料の確保や技術開発等多くの課題が存在しています。そのため、2050 年を見据えた長期ロードマップに加えて、2030 年のSAF供給目標を達成するために具体的な供給体制を確立していくことが必要です。
 そこで、本学では「持続可能な航空燃料 (SAF)に関する国際環境認証及び新規原料開発に関するオープンプラットフォーム(SAF-OP)」を設立し、SAF原料等(ポンガミア等)の安定供給に資する技術開発やSAFの事業化体制の構築などに向けた産学官連携の取組を令和6年4月1日より開始いたしました。SAF-OPは本学主導のオープンイノベーションの場として今後活動をしてまいります。

活動内容

ポンガミア大規模栽培に向けた調査・研究

SAF等の原料として注目されている油脂植物の一つが、ポンガミアです。東京農工大学では、ポンガミアの大規模栽培に向けた研究活動を推進しています。
本プラットフォームでは、ポンガミアの大規模栽培に関する知見の収集・集約を担います。

  • 優良苗の開発
  • 施肥技術、剪定技術の開発
  • 土壌環境制御技術の構築

SAF製造過程の高効率化に向けた調査・研究

東京農工大学では、NEDO事業等においてバイオ燃料製造技術に関する研究活動を行っています。本プラットフォームでは、SAF等のバイオ燃料製造時におけるプロセスの高効率化に向けた知見の収集・集約を担います。

  • 触媒開発
  • ライフサイクルアセスメント (LCA)

CORSIA認証制度に関する調査研究

SAFを製造する際に必要な環境認証の一つがCORSIA Eligible Fuel (CEF)認証です。国際民間航空機関 (ICAO)におけるCEF認証取得のための、制度等に関する調査を行っています。本プラットフォームでは、CEF認証取得に必要なデータの整理を担います。

  • 原料分類
  • GHG排出量の算定
  • 土地利用変化の評価